パラグアイ、日本よりも日本な村(前編)

 

おかえりびとでは、久しぶりの“文章”の投稿、タクロウ@YAWP!です。

 

韓国、シリア・・と世界の国々の話をして来ましたが、今回はヨーロッパを一気に飛ばして、南アメリカ大陸のド真ん中にある国、パラグアイの話です。ヨーロッパの話は、次回にでも。

 

先日、我が宿に日系アルゼンチン人のゲストが長期で泊まっていたのですよ。彼女と、南米の話を頻繁にしていたせいで、“また行きたいなぁ〜モード”に入ってしまいまして。ご存知の方が多いと思いますが、戦後、多くの日本人が南米に移住し(なんとブラジルには140万人!)、多くの国に日本人コミュニティが今も存在しています。

僕が世界一周の途中で訪れた国、パラグアイには日系人は8000人ほどのようですが、世界三大瀑布“イグアスの滝”からバスで1時間ほどの距離にある“イグアス移住区”には、その内の800人ほどが住んでいます。この村は、住民のほぼ全員が日系人で、はるか昔に日本から移住したご本人であるお年寄り層はもちろん、その二世や三世までもが、とても流暢に日本語を話します。

街の中心部には鳥居があり、一軒だけある農協(スーパーマーケット)には納豆や大福が売っている。日本食レストランがあり、醤油ラーメンも食べられる。二世or三世の住民のほとんどは、“日本に一度も来たことがない”方々でしたが、何というか、ものすごく日本文化を大切にしているのです。自身のルーツ、アイデンティティとして、懸命に日本文化の世代間継承をしている。なんと日本舞踊の教室まであり、若者たちはそこに積極的に通っているんですよ!

パラグアイは、日本からすると地球のほぼ真裏にあたります。そんな、日本から最も遠い遥か彼方の国で、まるで日本・・・というか日本よりもさらに和文化色の濃ゆぅ〜い村があるということなのです。

 

僕は世界一周の旅に出発してから、おおよそ一年が経過した頃に、この村に辿り着きました。一年も日本から離れ、さすがに少しは恋しくなっていたのか、この村はとにかく居心地が良く。はっきり言いまして、観光としてはイグアスの滝を除き、な〜んにもないところですけどね。寝て起きて酒を飲んで本を読んで、ひたすらにダラダラと、三週間以上も無駄に過ごしてしまいましたよ。この期間はおそらく、僕の人生で最も堕落した、生産性ゼロのニートみたいな日々でした。

やることは本当に何もないのですが、宿は1軒しかないので、たまに来る日本人バックパッカーと仲良くなって遊ぶだけの生活で(外国人には全く知られていない村なので、日本人しか来ません)。ゲスト数はたいていで2〜3人、5人を越えることもあったり、僕独りだけだったり。

僕も含め、全ての旅人のこの村訪問の第一目的が“イグアスの滝に行く”ですから、僕は誰か新規の者が来る度に「滝に行く?」「じゃあ一緒に行こか(ヒマだし)」となりまして。イグアスの滝は、滝(&川)を国境のラインとして国が分かれておりますので、“アルゼンチン・サイド”“ブラジル・サイド”という形で、二通りの楽しみ方が出来ます。広大な国立公園なので、一日で両サイドを制覇するという人は、あまりいません。

 

三週間の間、誰か来る度に「じゃあ滝に行こか」だった僕は、実に週に二度のペースで、合計五度も滝に訪れまして。個人的にはブラジル・サイドの方が好きなのですが、めちゃ近くまでよれて大迫力のアルゼンチン・サイドの方が人気なので、内訳はブラジル×2、アルゼンチン×3です。

 

ちなみに、こんな僕でも一年以上も世界を旅していれば、それなりにイロコイ沙汰がありましてね。一度のみ、相手は欧米の現地人でしたが、他は全て僕と同じ、日本人バックパッカーです。パラグアイのこの村でも、僕はとある一人の女性と恋に落ちまして(笑)、もちろん一緒にイグアスの滝に行きました。

規模も水量も世界一の超巨大な滝、ドドドーッっという轟音&地響き、その目の前で、笑顔ではしゃぐ彼女の横顔を見て、僕は何だか急にキッスをしたくなってしまったんですよ。周りにはたくさんの観光客がいる中、隣りにいる彼女は完全に“そのモード”ではありませんでしたが、不意をつく形でチュッ♡とやりました。

すると、「ちょっと! なんでこんな所でするの!! 人いっぱいいるじゃん!!」と怒られましてね・・・。なので僕は、こう言ったのです。「あ、ゴメンね。水に流しておくれ・・・」と。

 

・・・これには、当の彼女は大ウケで腹を抱えて笑っていましたが、この記事を読む方々はポカーンとなり、呆れ返っていることでしょうね。意味のない、くだらないことを書いて、どうもすみませんです(笑)。これは僕、個人的には、とてもいい思い出なのです。僕にとっては、イグアスの滝=不意にkiss &「水に流して」なのです(笑)。

 

そんな読者置いてけぼりの、どうでもいい話題はここまでとし、南米らしいトラブル絡みでワチャワチャする〈後編〉に続きます!!

 

 

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